14日間にわたり、24プログラムを実施した「常磐線舞台芸術祭 2023」が閉幕

初回開催で、延べ来場・参加者数約 5,547人*を記録

「つなぐ、」をテーマに7月31日(月)〜8月13日(日)の期間、24のプログラムを実施してきた常磐線舞台芸術祭 2023は8月13日(日)に閉幕いたしました。
福島県内の浜通りに位置する常磐線沿線を舞台に、南は茨城県磯原駅から北は宮城県亘理駅まで、そして浜通りと中通りの境にある福島駅といった様々な会場で、上演、ワークショップ、地域を知るツアー、食の企画などの多彩なプログラムを実施しました。
7月20日(木)から8月14日(月)まで実施した、運営資金の一部を募るクラウドファンディングでは、1,235人の方々から13,932,000円(予定)のご寄付を、会期中会場に設置した募金箱では451,311円のご支援をいただくことができました。
常磐線舞台芸術祭は、東日本大震災と原発事故によって大きな傷を負い、いまだにその痛みが残る地域で、地域本来の美しさや魅力を再発見し体感してもらうことを目的とした芸術祭として企画、開催されました。
今後も開催していけることを目指していきたいと思います。引き続きのご支援を何卒よろしくお願いいたします。


*延べ来場・参加者数は有料、無料プログラムを合わせた総数です。

実行委員による閉幕コメント

事務局のみなさん、全てのスタッフのみなさん、公演を行ってくださった団体のみなさん、出演者のみなさん、テクニカルチームのみなさん、実行委員のみなさん、運営コーディネーターのみなさん、地域コーディネーターのみなさん、諸々ご協力くださった地元住民の皆様、お客様、ありがとうございました。
 福島は初めて、相双地区には来たことがない、という遠方から訪れて、酷暑のなか、磯原から亘理、また福島市へと飛び回ったスタッフの方々は、まさに仕事を遂行する以上の使命感のようなものがなければ、最後まで続けることは出来なかった、と思います。
 みなさんは、「夢の設営」をされたのだと思います。
 現実よりも密度の濃い夢の時間を出現させることが出来たのは、スタッフのみなさんお一人お一人が心を尽くし、力を尽くしてくださったからです。
 大変感謝しております。ありがとうございます。

 プログラム・ディレクター 柳 美里


何よりも大きな事故がなく芸術祭が終わったことに安堵しています。
 この三ヶ月で五回、福島を訪れました。震災後数年間は、ほぼ毎月伺っていましたが、それ以来の頻度となりました。自分の運転するレンタカーで海岸線を南北に走り、浜通りの長さを実感する日々でした。
 「つなぐ」というコンセプトから、さらに今後に「つながる」何かが残せていれば幸いです。
 
フェスティバル・コーディネーター 平田オリザ


およそ半月にわたり、福島県浜通り、常磐線沿線を舞台に開催してきました「常磐線舞台芸術祭」、皆さんのおかげで、事故なく無事に閉幕できました。舞台芸術は「観客」が存在して初めて成り立つものです。皆さんが感じ、考え、思い、持ち帰り、解釈する。そこまで含んで舞台芸術なのだとおもいますし、そこにこそ「手繰り寄せる線」が生まれる。どうぞ皆さん、芸術祭で感じたもの、考えたこと、味わったものや見た風景を持ち帰り、皆さんの地元で、それぞれの暮らしや人生のスパイスにしていただけたらうれしいです。そうして、ふくしまは、生き続け、あり続ける。線は、残り続ける。その線をたどり、またこの地を訪れてくれる日を、心待ちにしています!!
 
実行委員 小松理虔


多くの皆様のご支援とご協力のおかげで常磐線舞台芸術祭を無事に終える事ができました。本当にありがとうございました。この地に新たな文化を生んでくださいました皆様に心より感謝申し上げます。
 私たちはいつでも皆様のお越しをお待ちしております。またお目にかかれる日を楽しみに。
 
実行委員 相馬行胤


私が実際に制作者(演出家、脚本家、パフォーマーほか)として関わったのは新地町と富岡町での2プロジェクトで、計4ステージだった。ある新聞の劇評は私たちの新地町での上演を『新地 つなぎ直す絆』との見出しにまとめてくれた。この芸術祭の目的は〈分断〉を消すことで、それが少しでもできたのなら、本当に満足だ。私はまた富岡町でも新地町でも次のようなフレーズを朗読した。若干改めてここにも載せる。「賛成だとか反対だとか、誰が自分の味方だとか敵だとか、それって何をやっているの?」

実行委員 古川日出男


そこに舞台空間をどう立ちあげれば良いのか。企画したプログラムのそれぞれにずっと問われ続けてきた歳月でした。それに応えるべく、たくさんの方と出会い、濃密な打ち合わせを重ねてまいりました。めぐり合ったかけがえのない仲間たちと、新しい何かへと挑もうとした日々が、被災地からの新しい発信の方法のあり方をあらためて教えてくれたように思います。扉を開かせてくれた本芸術祭に、福島人の一人として、深く感謝いたします。

実行委員 和合亮一


クラウドファンディングについて

2023年7月20日(木)〜8月14日(月)まで目標金額1000万円で挑戦していたクラウドファンディングですが、8月13日(日)に目標金額を達成、最終的に1235名の方から総額13,932,000円(予定)のご寄付をいただき、139%の達成率で終了いたました。ご寄付いただいた資金については、警備・案内・誘導の整備やご案内に必要なガイドブックなど、フェスティバル運営費として活用させていただきます。

クラウドファンディング概要
・プロジェクトタイトル:福島を再発見し「つなぐ、」 常磐線舞台芸術祭の立ち上げにご寄付を
・U R L:https://readyfor.jp/projects/jobanline-paf
・目標金額:10,000,000円
・達成金額:13,932,000万円(予定) / 達成率:139%
・寄付者数:1235名(予定)
・形式:All or Nothing形式 ※期間内に集まった寄付総額が目標金額に到達した場合にのみ、実行者が寄付金を受け取れる仕組み
・公開期間:2023年7月20日(木)10時 〜 8月14日(月)23時
・資金使途:フェスティバル運営費用